「水色のメロン」
道端に何か置いてありました
それは水色のメロンでした
水色のメロンはとても良い匂いがしました
「お日様の匂いだ」
クインシー坊やは水色のメロンに言いました
「その水色は、空を表しているんだね」
明るい日差しが網目模様を照らしています
「その模様は僕のおうちの壁紙みたいだ」
クインシー坊やは急ぎ足で遠くへ駆けて行きました
水色のメロンはずっと道端に置いてありました
「あれ。これは珍しいなあ」
カエルのカーズが通り掛かりました
「小さな地球だ」
カーズは水色のメロンを両手でそっと持ち上げました
「とても重たい。これが宇宙に浮かんでいるのかあ」
網目模様が星明かりできらきらと光りました
「昨日、落ちてなかった? 水色のボール、お日様の匂いの」
「ボール? あれ、ボールだったの?地球だと思ってたんだけど」
クインシー坊やとカーズはお互いに思い出しながら笑っていました
水色のメロンはずっと道端に置いてありました
(おしまい)
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