「クインシー坊やと響きの星」

ある日　クインシー坊やは　高い丘の上で　星が落ちているのを見つけました

星はとても明るく光っていて　振ってみると　きらきらと音がしました

クインシー坊やは　友達のカーズに星を見せました

カーズはとても驚いた様子でした　星は夜の空に輝いているものだと　思っていたからです

クインシー坊やは　「この星を宝物にする」と　言いました

カーズは　「元の場所に戻しておいで」と　言いました

クインシー坊やは　星を抱きしめました

星は　ただ　きらきらと　返事をするばかりでした

その夜　クインシー坊やは　拾った星と一緒に　あの高い丘に登っていました

今夜は数年に一度の　流星群がやってくる夜だったのです

クインシー坊やは　拾った星と手を繋いでいました

何となくお別れするのが　不安だったのです

そして大きな音を響かせて　流星群がやってきました

クインシー坊やは　たくさんの音が降る夜空に　「宝物」を放ちました

「宝物」はクインシー坊やに向かって　少しだけきらめいて見せました

クインシー坊やは　それを見つけて安心しました

「またね」

流星群は　あの星を連れて　夜空の彼方へ帰って行きました

クインシー坊やは　だんだん音が遠ざかっていくのを　聴いていました

でも　不思議と　寂しくはありませんでした

(おしまい)

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